金曜日、仕事が終って帰る。
明日は土曜日だから、犯罪以外なら何をしたっていいんだという気分。
直帰するのは勿体無いですよね。何かをするべきです。
そうだ、アレをやってみよう。
オッサン達がよくやっている、「駅飲み」。
「駅飲み」とはそのまま駅で缶ビールや缶チューハイを飲むこと。
よくやっているオッサン達を見て、(こんなところで飲んでうまいのか?)と思いながらも、どこででも飲んでしまうオッサンの自由さが少し羨ましかったのです。
場所は新宿の南口。
NEW DAYSで缶チューハイのハイリキ2本とあたりめとチーかまを購入。
なるべくスタンダードなものを選んだ。
よーし張り切って飲むぞ。
どこに足の裏を落ち着けようか。駅飲みはどこで飲んでも良いという、その自由さに初心者は戸惑ってしまうのである。
時間は21:00前。まだしらふの人たちがごったがえす場所で飲むという行為がとんでもないことに思えて、くじけそうになる。
か、かえろうかな・・・。
しかしこのまま帰ってはハイリキ2本とあたりめとチーかまが浮かばれない。なんとかここで消費してやらなきゃ。
ホームへの階段脇の「
もしもしコーナー」にちょうどいいスペースが。
駅飲みの先人達の跡もある(ごみがある)。
平静を装いつつも、内心はドキドキ。
心を落ち着けるためにまずはチーかまを。
そして21:00ジャスト、一杯目のハイリキをプシュッと開ける。飲んでいるうちに何とかなるでしょう。
浮浪者が近くに捨ててあった新聞を拾いに来た。僕のとなりでその新聞を読んでいる。まさかハイリキを狙っているんじゃないだろうな。やらんぞ。
そのうち浮浪者はどっか行きました。
↑あ、向こうの方に駅飲みをしているオッサン2人を発見! やっと仲間キターと思ったら、それぞれ1缶飲んで退散しちゃいました。さすがベテラン。早え。
↑隣にはドトールがある。駅で立ち飲みという、やってることは同じなんだけど、人々の視線が決定的に違う。すりガラスの向こう側に隠れてないで出てきて欲しい。
通り過ぎる大勢の人々にチラ見されます。
(なんだこの人、若いのにこんなところで飲んで)
という声が聞こえてくるようです。だんだん、
(なんだこの人、若いのにこんなところで飲んで・・・もしかして電車にダイブする前に恐怖を沈めているんじゃないだろうな)
って思われている気がしてきました。いや、そうじゃないんです。
21:13、1本目を飲み終えて、羞恥心は消えないが、世の中と自分がどんどんかけ離れていく感覚が強まる。
21:26、2本目を飲み終える。1本につき、きっかり13分かかった。酒が弱いので、たぶん顔が真っ赤になっていると思う。人々のチラ見率も高くなっている気がする。
自ら課した罰ゲームのような行為を終えて早くその場を立ち去りたかったが、そのまま電車で帰る気にもなれない。ちょっと新宿駅を一周しよう。
うーん夜風がきもちいい。
↑寒さと酔いがせめぎ合って、赤と白のコントラストがはっきり出た顔。
↑初めて買った東口の苺の串刺し。200円。酔った勢いでもこの程度か。
◆
こうして初めての駅飲みは終った。
憧れの気持ちはあったが、いざやってみると本当に罰ゲームにしか思えなかった。それも自分の小心さゆえだろう。駅で飲むことぐらい、へのつっぱりと思えるような大人になって行きたい。もう大人だけど。